しもやけ(凍瘡)の治し方|薬・市販薬の選び方、足の指・手の症状、治らないときの受診目安【皮膚科専門医が解説】

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しもやけ(凍瘡)の治し方|薬・市販薬の選び方、足の指・手の症状、治らないときの受診目安【皮膚科専門医が解説】

「足の指が赤紫に腫れてかゆい」「毎年くり返すけれど、病院に行くほどではない?」「市販薬で治るの?」——寒い時期に増える皮膚の相談のひとつが、しもやけ(霜焼け。医学的には凍瘡)です。

結論から言うと、しもやけは「寒さそのもの」より「冷えと温まりの温度差」で手足の細い血管の血流が滞って起こる炎症で、保温・保湿と血行をよくする薬で、多くは1〜3週間ほどで軽くなっていきます。一方で、「即効で治す方法」はなく、赤紫の腫れが暖かくなっても引かない・水ぶくれや潰瘍になった・大人になって初めて出た・毎年ひどくなるときは、しもやけに似た別の病気が隠れていることがあるため、皮膚科で診断を受けるのが近道です。

この記事では、大阪・箕面のみのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が、しもやけの原因、足の指・手・耳・頬など部位別の症状、市販薬と皮膚科の薬の違い、「即効」や「ビタミン不足」といったよくある誤解、治らない・くり返すときに疑う病気と受診の目安までをまとめて解説します。

しもやけ(凍瘡)とは|原因は「寒さ」より「温度差」と血流の滞り

しもやけ(凍瘡)は、気温が0〜10℃前後の寒い環境と、そこから急に温まるという温度差がくり返されることで、手足の指先・耳・頬など体の末端の細い血管がうまく広がったり縮んだりできなくなり、血液がうっ滞して皮膚に炎症が起こる病気です。寒さに触れてから半日〜1日ほどたって、赤紫色の腫れやかゆみ、痛みとして現れます。

ここで大切なのは、しもやけは凍傷とは別の病気という点です。凍傷は0℃以下の環境で皮膚の組織そのものが凍って傷む外傷で、感覚がなくなる・白くなる・黒く変色するといった症状が出れば救急の対応が必要です。しもやけは「凍らない程度の寒さ」で起こる血流の病気で、組織が凍っているわけではありません。両者は原因も対処も異なるため、見分けが重要です。

また、しもやけは「湿気」で悪化します。汗や雪、雨で湿った靴下や手袋をそのまま履いていると、水分が蒸発するときに皮膚の熱を奪い、同じ気温でも体感はずっと冷たくなります。きつい靴で指先が圧迫されていると血流がさらに悪くなります。

なりやすい人と「ビタミン不足」説の実際

しもやけになりやすいのは、次のような方です。

  • 子ども……体温調節が未熟で、外遊びで手足が濡れたまま過ごしやすい
  • 女性・やせ型の方……皮下脂肪が少なく、末端の血流が滞りやすい。冷え性の方も同様
  • 屋外や寒冷環境で働く方……通勤・通学で長時間寒さに触れる、水を使う仕事をしている
  • 湿った靴下・手袋をそのままにしがちな方、きつい靴を履く方
  • 喫煙する方……ニコチンが血管を収縮させ、末端の血流を悪くします

インターネットで「しもやけ 何不足」と調べると「ビタミンE不足が原因」という記述を見かけますが、しもやけはビタミン不足が原因で起こる病気ではありません。ビタミンEが治療に使われるのは、末端の血流を保つ働きを期待しているためで、「足りないから補う」という発想とは違います。極端なダイエットは体の冷えにつながるため整える価値はありますが、サプリメントを飲めばしもやけが消えるわけではありません。

症状と部位別の見分け方|足の指・手・耳・頬

しもやけの典型的な症状は、赤紫〜紫がかった赤色の腫れ、ジンジンする痛み、温まったときの強いかゆみです。日本では、指全体がむくんでパンパンに腫れる「樽柿(たるがき)型」と、赤い斑点がいくつも出る「多形滲出性紅斑型」に分けて説明されることが多く、子どもは樽柿型、大人は多形滲出性紅斑型が多い傾向があります。重症になると、水ぶくれ・ただれ(びらん)・潰瘍ができ、痛みが強くなります。

部位ごとの出やすい症状と、注意したいポイントを表にまとめます。

部位出やすい症状見分け・注意点
足の指(特に親指・小指)指先からつけ根が赤紫に腫れ、靴を履くと痛い。入浴後や寝床で強くかゆいきつい靴・湿った靴下が原因になりやすい。爪のまわりが腫れて水虫や爪の炎症と間違われることがある
手の指・手の甲指の背側・関節の上に赤い斑点や腫れ。手洗い後にかゆみが増す水仕事・手洗いのあと濡れたままが誘因。手荒れ(手湿疹)と合併しやすい
耳たぶ・耳の縁赤く腫れて熱っぽい。触ると痛い髪で隠れて気づきにくい。自転車通学・通勤で多い
頬・鼻の頭赤いまだら、ほてり乳幼児で多い。赤ら顔・乾燥との区別が必要
かかと・足の縁硬く赤紫に腫れ、ひび割れを伴う乾燥によるひび・あかぎれと合併。歩くときに痛む

いずれの部位でも、左右対称に、寒さに触れた部位に出るのが通常のしもやけの特徴です。片側だけ・寒さと無関係の部位・寒さに触れていないのに悪化するといった場合は、別の病気を考える必要があります(後述)。

自分でできる治し方と、やってはいけないこと

軽いしもやけは、寒さと湿気を避けて血流を整えれば自然に軽くなっていきます。ポイントは「じわっと温める」「乾かす」「保湿する」の3つです。

  • じわっと温める……患部だけを急に熱くするのではなく、ぬるめ(38〜40℃程度)のお風呂に入って体全体を温めるのが基本です。入浴後は水分をよく拭き取り、靴下や手袋で冷えないうちに保温します
  • 濡れたらすぐ乾かす……靴下・手袋・インソールが湿ったら取り替える。汗をかきやすい方は吸湿速乾素材の靴下を選び、替えを持ち歩く
  • 保湿する……乾燥でひび割れると治りが遅くなるため、入浴後に保湿剤を塗る。ワセリンや市販の保湿クリームでかまいません。乾燥肌・アトピー性皮膚炎の方は、普段使っている保湿剤をそのまま続けてください
  • 締め付けない……きつい靴・厚手の靴下を重ねて窮屈になった靴は血流を妨げます。足先に余裕のある靴に替える

反対に、やってはいけないことも押さえておきましょう。

  • 熱いお湯や暖房器具に直接当てる……急激な温度差でかゆみと腫れが強くなるうえ、感覚が鈍った皮膚では低温やけど(火傷。医学的には熱傷)を起こすことがあります(やけどについてはやけどの診療ページ)
  • 強くもむ・こすり合わせる……血行をよくするつもりで強くもむと、腫れた皮膚が傷ついて水ぶくれやびらんの原因になります。さする程度にとどめ、水ぶくれや傷がある部位には触らない
  • かきこわす……かゆみで無意識にかいてしまい、傷から細菌が入って化膿することがあります。かゆみが強いときは我慢せず薬を使います
  • 水ぶくれを自分でつぶす……感染の入口になります。大きい水ぶくれ・ただれは皮膚科で処置を受けてください

なお、温冷交代浴は血行促進を目的に紹介されることがありますが、効果を裏付ける確かなデータは乏しく、水ぶくれや傷があるときは刺激になるため、無理に行う必要はありません。

「即効で治す方法」はある?――よくある誤解を整理

「しもやけ 即効」と検索する方は多いのですが、一晩や数日で消える方法はありません。しもやけは、血管が収縮と拡張をうまく切り替えられなくなった状態の積み重ねで起こる炎症です。寒さを避けて薬を使っても、腫れや色が落ち着くまでには通常1〜3週間かかり、くり返している指先ほど時間がかかります。

ただし、「かゆみ」や「痛み」といったつらい症状は、薬で早めに和らげることができます。即効性を求めて熱いお湯で温めたり、強くもんだりするのは逆効果なので、「原因(冷え・湿気・圧迫)を取り除いて、症状は薬で抑えながら、治るのを待つ」が最短ルートです。1〜2週間ケアを続けても変化がなければ、自己流を続けるより皮膚科で薬を調整するほうが早く楽になります。

市販薬の選び方と限界|市販のステロイドは使える?

軽いしもやけなら、市販薬でケアを始めてかまいません。選ぶときは、パッケージの「効能・効果」に「しもやけ」と書かれているものを目安にします。主な成分と、皮膚科で処方する薬との違いを表にまとめます。

成分・薬の種類市販薬(例)皮膚科の処方薬働き・使い分け
ビタミンE(トコフェロール)外用ビタミンE配合のクリーム(ユースキンAなど)ユベラ軟膏末端の血流を保ち、炎症を抑える。軽症〜中等症の基本の外用薬。保険適用で処方できる
ヘパリン類似物質ヘパリン類似物質配合クリーム(HPクリームなど)ヒルドイド(ソフト軟膏・クリーム・ローション)保湿と血行促進の両方に働く。乾燥・ひび割れを伴うしもやけに向く。ヒルドイドの詳しい解説(薬辞典)
ステロイド外用市販のステロイド外用薬(強さは製品で異なります)リンデロンなど、強さを部位・年齢で選んだステロイド外用腫れ・かゆみ・赤みを短期間で抑える。血流そのものは改善しないため、保温・保湿と併用する
かゆみ止め(抗ヒスタミン成分)かゆみ止め成分配合の外用薬抗ヒスタミン薬の内服かゆみでかきこわすのを防ぐ。しもやけ自体を治す薬ではない
内服薬(しもやけに効能をもつ市販の内服薬は限られる)ビタミンE内服、漢方薬などくり返す・範囲が広い場合に外用と組み合わせる

商品名は例で、特定の製品の推奨ではありません。成分と効能は製品の表示をご確認ください。

「市販のステロイドは使えるか」という質問は多いのですが、皮膚が切れていない、水ぶくれのない赤み・腫れ・かゆみに対して、短期間(目安は1週間程度)使うのであれば、選択肢のひとつです。ただし、ステロイドは炎症を抑えるだけで、血流の滞りという根本には働きません。また、ただれ・潰瘍・化膿している部位に塗ると悪化することがあり、顔や子どもには強さの選び方に注意が必要です。1週間使って変化がない、むしろ広がる、ジュクジュクしてきたという場合は、使い続けずに皮膚科を受診してください。

市販薬のもう一つの限界は、「しもやけに見える別の病気」を見逃しうることです。様子を見るのは1〜2週間を目安にし、超えたら診断を受けると決めておくと安心です。

皮膚科での治療|処方薬と保険診療の流れ

皮膚科では、まず症状と部位、寒さとの関係、左右差、全身症状の有無を確かめて、しもやけかどうかを診断します。しもやけと判断すれば、重症度に応じて次のような薬を処方します。しもやけの診療は保険診療です。

  • ビタミンE外用(ユベラ軟膏)……血流を保つ基本の外用薬。1日数回、患部に塗ります
  • ヘパリン類似物質(ヒルドイド)……保湿と血行促進。乾燥・ひび割れを伴う場合や、広い範囲のケアに使います
  • ステロイド外用(リンデロンなど)……腫れ・かゆみ・赤みが強いときに、部位と年齢に合った強さを短期間使います。症状が落ち着いたら保湿と血行の薬に戻します
  • 内服薬……くり返す方、範囲が広い方にはビタミンEの内服や、体を温めて血行を整える漢方薬を組み合わせることがあります
  • 水ぶくれ・びらん・潰瘍の処置……感染を防ぐための外用薬や被覆材で傷の手当てをします

皮膚科の薬が市販薬と違うのは、「どの成分を、どの強さで、どの期間使うか」を症状に合わせて決められること、そして市販薬にはない内服薬や処置を組み合わせられることです。花ふさ皮ふ科グループの3院(千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科、江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科、みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科)では、お子さんから大人・高齢の方まで、しもやけの保険診療を行っています。花ふさ皮ふ科グループの千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の治療案内は凍瘡(しもやけ)の治療ページをご覧ください。

治らない・毎年くり返すときに疑う病気と検査

通常のしもやけは、寒さを避けて治療すれば数週間で軽くなり、春には跡を残さずに消えます。それに当てはまらないとき、皮膚科医は「しもやけに見える別の病気」を考えます。

  • 凍瘡様ループス(凍瘡状エリテマトーデス)……膠原病のひとつ、エリテマトーデス(ループス)の皮膚症状で、しもやけとよく似た赤紫の斑が指先・耳・鼻に出ます。暖かくなっても治らない、潰瘍や瘢痕を残す、くり返すうちに悪化するのが特徴で、一部は全身性エリテマトーデス(SLE)に進むことがあるため、早めの診断が大切です
  • レイノー現象・強皮症(全身性硬化症)……寒さや緊張で指が白くなり、紫になって、赤くなって戻る「三相の色の変化」をレイノー現象と呼びます。強皮症では、これに加えて指の皮膚が硬くなる、指先に小さな潰瘍ができるといった症状が出ます。しもやけは「赤紫に腫れる」、レイノー現象は「白くなる」が出発点で、観察のポイントが違います
  • そのほかの膠原病・血液の病気……皮膚筋炎や、血液中のたんぱく(クリオグロブリン)が冷えで固まる病気でも、似た症状が出ます
  • 血流の病気(閉塞性動脈硬化症・糖尿病による血流障害)……高齢の方、糖尿病・高血圧・喫煙歴のある方で足の指に治らない症状があるときは、足の血管の病気を考えます
  • 凍傷……前述のとおり、組織が凍って傷んだ外傷です。しもやけと混同されやすいですが、別の対応が必要です

こうした病気を疑うときは、皮膚科で血液検査(抗核抗体などの自己抗体、炎症の数値、血球、クリオグロブリンなど)を行い、必要に応じて皮膚の一部を採って顕微鏡で調べる皮膚生検を検討します。検査の結果によっては、膠原病内科や血管外科と連携して治療を進めます。「毎年のしもやけだから」と見過ごされていた症状が、検査で初めて別の病気と分かることがあります。

海外では、重症・難治のしもやけに血管を広げる内服薬(カルシウム拮抗薬など)が使われ、効果を示す報告がある一方で、有効性を疑問視する試験もあります。日本ではしもやけへの保険適用がない薬が多く、使う場合は医師が適応と安全性を判断します。

子ども・高齢者・大人で初めての場合の考え方

子どものしもやけは最も多いパターンで、外遊びや通学で手足が冷えて濡れたまま過ごすことが主な原因です。多くは保温・保湿・ビタミンEの外用で軽くなります。「何科に行けばよいか」と迷う方が多いのですが、皮膚の症状は皮膚科で診断・治療ができます。かかりつけの小児科でも対応できますが、水ぶくれ・ただれ・強いかゆみでかきこわしているときは、皮膚の処置と薬の選び方の点で皮膚科が向いています。

高齢の方は、皮膚が薄く乾燥しやすいことに加え、動脈硬化や糖尿病による血流の低下が隠れていることがあります。足の指のしもやけが治らない、黒っぽく変色する、痛みが強いというときは、しもやけではなく血管の病気の可能性を考えて早めに受診してください。

大人になって初めてしもやけが出た場合は、環境の変化(屋外の仕事を始めた、自転車通勤になった、極端なダイエットをした、喫煙を始めた)で説明できるかを確認します。思い当たる原因がなく、特に30代以降で初めて指先に赤紫の斑が出た、くり返すうちにひどくなる、関節の痛み・発熱・口内炎・日光にあたると赤くなるといった症状を伴うときは、膠原病の最初のサインの可能性があるため、しもやけの治療と並行して検査を受けることをおすすめします。

受診の目安チェックと予防

「ほっといても大丈夫?」を判断するために、受診の目安をチェック表にまとめました。1つでも当てはまれば、皮膚科の受診をおすすめします。

チェック項目考えられること受診の目安
保温・保湿・市販薬を1〜2週間続けても変わらない、広がる炎症が強い、薬が合っていない皮膚科で薬を調整
水ぶくれ・ただれ・潰瘍ができた、ジュクジュクして化膿している重症のしもやけ、二次感染早めに皮膚科で処置
暖かくなっても赤紫の斑が引かない、跡(瘢痕)が残る凍瘡様ループスなどの膠原病皮膚科で血液検査を相談
片側だけ、寒さに触れていない部位にも出る通常のしもやけ以外の病気皮膚科で診断
指が白くなってから紫・赤に変わる、指先が硬くなるレイノー現象・強皮症皮膚科で検査・連携
大人(特に30代以降)で初めて出た、毎年悪化する膠原病・血流の病気の可能性治療と並行して検査
関節痛・発熱・口内炎・日光過敏・体重減少を伴う全身性の病気早めに受診
足の指が黒く変色した、感覚がない、冷たいまま戻らない凍傷・重い血流障害当日中に受診(救急を含む)

そして、しもやけは対策でくり返しを減らしやすい病気です。次の対策を、寒くなる前から習慣にしておくと、くり返しを減らせます。

  • 靴下・手袋は濡れたらすぐ替える。吸湿速乾素材を選び、替えを持ち歩く
  • 足先に余裕のある靴を選ぶ。靴下を重ねて窮屈になるなら、厚手1枚のほうが血流を妨げない
  • 耳・首・足首など末端を冷やさない(耳当て・マフラー・レッグウォーマー)
  • 入浴は全身をじわっと温め、出たあとはすぐ水分を拭いて保湿し、冷える前に靴下を履く
  • 喫煙は血管を収縮させるため、しもやけをくり返す方は禁煙が予防になります
  • 去年しもやけになった部位は、寒くなり始めた時点から保湿と保温を先回りして始める

動画で見る保湿剤(ヒルドイド)の使い方

みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の YouTube チャンネルで、しもやけのケアにも使う保湿剤の使い方を公開しています。

【ヒルドイドとは?】【最強の保湿剤!】赤ちゃんから使える!霜焼けや傷跡のケアまでこなす万能な働きを皮膚科専門医が解説!!(YouTube)
▶ 【ヒルドイドとは?】【最強の保湿剤!】赤ちゃんから使える!霜焼けや傷跡のケアまでこなす万能な働きを皮膚科専門医が解説!!(約3分)

FAQ(よくある質問)

Q. しもやけはほっといても大丈夫ですか?
A. 軽いしもやけは、寒さと湿気を避けて保温・保湿を続ければ、1〜3週間ほどで自然に軽くなることが多いです。ただし、水ぶくれ・ただれ・潰瘍ができた、1〜2週間ケアしても変わらない、暖かくなっても引かない、大人で初めて出たという場合は、別の病気が隠れていることがあるため皮膚科を受診してください。

Q. しもやけを即効で治す方法はありますか?
A. 一晩や数日で消える方法はありません。血管の働きが乱れて起こる炎症なので、原因(冷え・湿気・圧迫)を取り除いて薬を使っても、落ち着くまで通常1〜3週間かかります。かゆみや痛みは薬で早めに和らげられます。熱いお湯で温める・強くもむといった「即効」をねらう方法は、かえって悪化させるので避けてください。

Q. ユベラ軟膏はしもやけに効きますか?
A. ユベラ軟膏(ビタミンE外用)は、末端の血流を保つ働きを期待して、皮膚科でしもやけに処方する基本の外用薬のひとつです。保険適用で処方できます。効果の現れ方には個人差があり、保温・保湿と組み合わせて使います。腫れやかゆみが強いときは、ステロイド外用を短期間併用することがあります。

Q. 市販のステロイドはしもやけに使えますか?
A. 皮膚が切れておらず水ぶくれのない赤み・腫れ・かゆみに対して、1週間程度の短期間使うなら選択肢のひとつです。ただしステロイドは炎症を抑えるだけで、血流の滞りには働きません。ただれ・潰瘍・化膿している部位には使わず、1週間使って変化がなければ皮膚科を受診してください。顔や子どもには強さの選び方に注意が必要です。

Q. しもやけは自然に治りますか?
A. 多くは寒い時期が終わると自然に治り、跡も残りません。ただし、寒さを避けられない環境が続くと冬の間くり返し、重症化すると水ぶくれや潰瘍になります。また、暖かくなっても治らないしもやけは膠原病などの別の病気の可能性があり、自然に治るのを待つより診断を受けるべきサインです。

Q. しもやけが治らない原因は何ですか?
A. 多いのは、湿った靴下や手袋・きつい靴・暖房器具に直接当てるといった誘因が続いていること、保湿不足でひび割れていること、かきこわして二次感染を起こしていることです。これらを見直しても治らない、片側だけ、暖かくなっても引かないという場合は、凍瘡様ループスやレイノー現象・強皮症、血流の病気などを疑って血液検査を行います。

Q. 子どものしもやけは何科に行けばよいですか?
A. 皮膚の症状なので皮膚科で診断・治療ができます。かかりつけの小児科でも対応できますが、水ぶくれ・ただれ・かきこわしがあるときは、皮膚の処置と薬の強さの選び方の点で皮膚科が向いています。花ふさ皮ふ科グループの3院(千里中央・江坂駅前・みのお)では、お子さんのしもやけも保険診療で診察しています。

Q. しもやけはお湯で温めてよいですか?
A. 体全体をぬるめ(38〜40℃程度)のお湯でじわっと温めるのは良い方法です。一方、患部だけを熱いお湯につけたり、ストーブやこたつに直接当てたりするのは、急な温度差でかゆみと腫れが強くなり、低温やけどの原因にもなるため避けてください。温めたあとは水分をしっかり拭き、保湿してすぐ保温します。

まとめ|しもやけは「温度差と湿気を避け、血流を整えて待つ」、治らなければ診断を

しもやけ(凍瘡)は、寒さと温度差で手足の末端の血流が滞って起こる炎症です。治し方の基本は、じわっと温める・濡れたら乾かす・保湿する・締め付けないの4つで、かゆみや腫れが強いときはビタミンE外用(ユベラ軟膏)、ヘパリン類似物質(ヒルドイド)、短期間のステロイド外用などで症状を抑えながら、1〜3週間かけて落ち着くのを待ちます。即効で治す方法はなく、熱いお湯や強いマッサージは逆効果です。市販薬で様子を見るなら1〜2週間を目安にし、水ぶくれ・潰瘍、暖かくなっても引かない、大人で初めて、毎年悪化するといったサインがあれば、凍瘡様ループスやレイノー現象などの病気を見逃さないために皮膚科で診断と血液検査を受けてください。しもやけの診察は、花ふさ皮ふ科グループの3院(千里中央・江坂駅前・みのお)いずれでも保険診療で受けられます。大阪・箕面・茨木・池田エリアの方はみのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へ、豊中・吹田の方は千里中央院・江坂駅前院へご相談ください。

参考文献

  • 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」膠原病と類縁疾患(しもやけに似た皮膚症状が膠原病で起こることの解説)
  • National Health Service (NHS, UK). Chilblains. https://www.nhs.uk/conditions/chilblains/
  • Cappel JA, Wetter DA. Clinical characteristics, etiologic associations, laboratory findings, treatment, and proposed pathogenesis of pernio (chilblains): a retrospective study of 104 patients at Mayo Clinic, 2000 to 2011. Mayo Clin Proc. 2014;89(2):207-215.
  • Hedrich CM, Fiebig B, Hauck FH, et al. Chilblain lupus erythematosus—a review of literature. Clin Rheumatol. 2008;27(8):949-954.
  • Yang X, et al. Pharmacologic Treatment of Idiopathic Chilblains (Pernio): A Systematic Review. J Cutan Med Surg. 2021;25(5):530-542.
  • Souwer IH, et al. Nifedipine vs Placebo for Treatment of Chronic Chilblains: A Randomized Controlled Trial. Ann Fam Med. 2016;14(5):453-459.

この記事の執筆・監修
花房崇明(医療法人佑諒会 理事長/みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科/日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・医学博士)。大阪大学医学部卒。英語論文73本を含む論文・学会発表100回超。

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監修医情報

医師 みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 理事長 花房 崇明

略歴
  1. 1998年

    高槻中学校・高槻高等学校 卒業

  2. 2004年

    大阪大学医学部医学科 卒業

  3. 2004年

    大阪府立急性期・総合医療センター(最優秀研修医賞受賞)

  4. 2006年

    大阪大学医学部附属病院皮膚科

  5. 2007年

    東京都立墨東病院皮膚科

  6. 2012年

    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学 博士課程修了 医学博士取得

  7. 2012年

    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学 特任助教

  8. 2013年

    カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学

  9. 2014年

    JCHO大阪病院皮膚科 医長

  10. 2015年

    東京医科歯科大学皮膚科 講師・外来医長/病棟医長

  11. 2017年

    千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 開院

  12. 2019年

    医療法人佑諒会 理事長

  13. 2021年

    近畿大学医学部皮膚科非常勤講師

  14. 2021年

    江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 開院

  15. 2024年

    みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 開院

資格・所属学会
  • 医学博士(大阪大学大学院)
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
  • 日本抗加齢医学会認定抗加齢医専門医
  • 難病指定医