くり返すニキビに悩み、外用薬や内服薬では思うように改善しない——そんな方にとって、アビクリアは新しい選択肢のひとつです。アビクリア(販売名:AviClear レーザシステム)は、2025年5月に「中等症から最重症の尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療」を使用目的として国内の製造販売承認を取得した、国内初のニキビ治療レーザー機器です。
この記事では、アビクリアがニキビにどう作用するのか、ニキビ跡や大人ニキビへの考え方、施術後の好転反応、他のニキビ治療との違いまでを、皮膚科専門医がわかりやすく解説します。
目次
ニキビ・ニキビ跡ができる仕組み
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌が増殖して炎症が起こる皮膚の病気です。発生には主に次の要素が関わります。
- 皮脂の過剰分泌: 皮脂腺から皮脂が多く分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。
- 毛穴のつまり: 角質が厚くなり毛穴の出口がふさがれます。
- アクネ菌の増殖と炎症: 詰まった毛穴の中でアクネ菌が増え、赤みや膿をともなう炎症が起こります。
炎症が強かったり、くり返したりすると、炎症後の赤みや色素沈着、クレーター(陥凹)といったニキビ跡が残ることがあります。日本皮膚科学会のガイドラインでも、ニキビは早期治療と再発のコントロールが重要とされています。
アビクリアがニキビに作用するメカニズム
アビクリアは、皮脂に選択的に吸収される波長1726nmのレーザーを用いた治療機器です。このレーザーのエネルギーを皮脂腺に選択的に伝えることで、表皮に影響を及ぼしにくい形で皮脂腺にダメージを与え、皮脂の過剰な分泌を抑えることを目的としています。
ニキビの大きな原因のひとつが「皮脂の過剰分泌」であるため、皮脂腺そのものにアプローチするアビクリアは、ニキビの根本原因に働きかける治療と位置づけられています。これにより、中等症から最重症のニキビについて、長期的な症状の改善が期待できるとされています。
アビクリアはこんな方におすすめ
アビクリアは、次のような中等症〜最重症のニキビにお悩みの方に向いています。
- 保険診療の外用薬を使っても、ニキビの改善が十分でない方
- 外用薬の副作用(刺激・乾燥など)で治療の継続が難しい方
- 妊娠を希望している、成長期であるなどの理由で、イソトレチノインなどの内服治療が難しい方
アビクリアが適しているかどうかは、ニキビの種類や重症度、肌の状態によって異なります。軽症のニキビや、まず保険診療で対応すべきケースもあります。実際の治療方針は、医師の診察のうえで判断します。
ニキビ跡への効果はある?
まず前提として、アビクリアの国内承認上の使用目的は「中等症から最重症の尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療」です。クレーター(陥凹性のニキビ跡)そのものを治す治療として承認されているわけではありません。
一方で、アビクリアによって皮脂分泌が抑えられ、新たなニキビや炎症がくり返されにくくなることは、結果として新しいニキビ跡をつくらせないという観点で意味があります。すでにできてしまった赤みやクレーターのニキビ跡に対しては、別の治療が適していることもあります。ニキビ跡のタイプに応じた治療方針は、カウンセリングで医師にご相談ください。
大人ニキビ・顎ニキビへの考え方
あご・口まわり・フェイスラインにくり返しできる「大人ニキビ」は、皮脂や毛穴の詰まりに加え、生活習慣やホルモンバランスなどさまざまな要因が関わるとされています。
アビクリアは皮脂腺にアプローチする治療のため、皮脂の関与が大きいタイプの大人ニキビにおいて改善が期待できる場合があります。ただし、効果の出方には個人差があり、ニキビの状態によっては他の治療やスキンケア・生活習慣の見直しを組み合わせることもあります。
施術後にニキビが悪化することはある?
アビクリアの施術後、一時的にニキビが増えたり悪化したように見える「好転反応」が起こることがあります。これは治療の経過のなかで起こりうる反応とされていますが、すべての方に必ず起こるわけではありません。
施術後は、赤み・腫れ・乾燥・かゆみなどが一時的に生じることもあります。気になる症状が続く場合や強い場合は、自己判断せず、施術を受けたクリニックに相談しましょう。施術後の経過やケアについては、ダウンタイムの記事もあわせてご確認ください。
他のニキビ治療との違い・併用
ニキビの治療には、保険診療の外用薬・内服薬のほか、自由診療のさまざまな選択肢があります。アビクリアの特徴は、毛穴のつまりやアクネ菌に働きかける薬とは異なり、皮脂腺そのものにアプローチする点にあります。
イソトレチノインなどの内服治療とアビクリアのどちらが適しているか、あるいは保険診療やスキンケアと組み合わせるべきかは、ニキビの重症度やライフスタイル、これまでの治療歴によって変わります。併用の可否を含め、治療計画は医師と相談しながら決めることが大切です。
FAQ(よくある質問)
Q. アビクリアはどんなニキビに向いていますか?(クリックで表示)
A. 国内承認の使用目的は「中等症から最重症の尋常性ざ瘡」です。外用薬で十分な効果が得られない方や、内服治療が難しい方の選択肢になります。適応はニキビの状態により異なるため、医師の診察でご確認ください。
Q. ニキビ跡(クレーター)も治せますか?(クリックで表示)
A. アビクリアはクレーターそのものを治す治療として承認されているわけではありません。皮脂分泌を抑えることで新たなニキビ跡をつくらせない観点で意味があります。すでにあるニキビ跡には別の治療が適する場合があります。
Q. 施術後にニキビが増えることはありますか?(クリックで表示)
A. 一時的にニキビが悪化したように見える好転反応が起こることがあります。必ず起こるわけではありませんが、気になる症状が続く場合はクリニックにご相談ください。
Q. 1回で効果は出ますか?(クリックで表示)
A. アビクリアは4〜6週間隔で合計3回受けるのが基本のプログラムです。効果の実感には個人差があり、回数を重ねて評価していきます。
【皮膚科専門医によるアビクリアのニキビ解説のまとめ】
アビクリアは、ニキビの原因のひとつである皮脂の過剰分泌に、皮脂腺へのアプローチで働きかける治療です。
- 作用の仕組み: 波長1726nmのレーザーで皮脂腺にダメージを与え、皮脂の過剰分泌を抑えることを目的とします。承認上の使用目的は中等症〜最重症のニキビ治療です。
- 向いている方: 外用薬で効果が不十分な方、内服治療が難しい方などの選択肢になります。適応は医師の診察で判断します。
- 注意点: 一時的な好転反応や赤み等が起こることがあります。ニキビ跡(クレーター)には別の治療が適する場合もあります。
大阪・箕面でニキビ治療をお考えの方は、みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へご相談ください。皮膚科専門医がニキビの状態を確認し、保険診療も含めて適切な治療法をご提案します。
参考
- キュテラ株式会社:国内初のニキビ治療レーザー機器「AviClear®」製造販売承認取得のお知らせ(2025年)
- 日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. 日本皮膚科学会雑誌, 133(3), 407-450, 2023.

