「治療を続けても効果が出ない」「全頭型・汎発型と診断された」——重症の円形脱毛症は、これまで治療の選択肢が限られていました。近年は内服のJAK阻害薬(オルミエント・リットフーロ)という新しい治療が保険適用となり、選択肢が広がっています。
この記事では、大阪・箕面のみのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が、重症型の円形脱毛症と新しい内服薬について解説します。
「重症の円形脱毛症」とは
円形脱毛症のうち、特に治療が難しいとされるのが次のようなタイプです。
- 全頭型……頭髪のほとんどが抜ける
- 汎発型……頭髪に加え、眉毛・まつ毛・体毛まで抜ける
- 蛇行型……後頭部から側頭部にかけて帯状に脱毛する
- 長期化・難治化した多発型……複数の脱毛斑が長期に渡って残る
こうした重症型に対して、近年は新しい治療の選択肢が登場しています。
新しい内服薬|JAK阻害薬の登場
JAK阻害薬は、自己免疫の信号伝達に関わる「JAK」という分子の働きを抑える内服薬です。円形脱毛症では、毛根を攻撃する免疫の反応を和らげる効果が期待されます。日本では現在、重症の円形脱毛症に対して次の2つのJAK阻害薬が保険適用されています。
- オルミエント(バリシチニブ)
- リットフーロ(リトレシチニブ)
オルミエント(バリシチニブ)の特徴
オルミエント(一般名:バリシチニブ)は、もともと関節リウマチなどに使われてきた内服のJAK阻害薬です。重症のアトピー性皮膚炎にも適応があり、その後、重症の円形脱毛症にも保険適用となりました。重症度や対象年齢などの条件があります。
リットフーロ(リトレシチニブ)の特徴
リットフーロ(一般名:リトレシチニブ)は、重症の円形脱毛症に対して使われる内服のJAK阻害薬です。一定の年齢以上で、重症度の条件を満たす方が対象です。
適応・対象患者
JAK阻害薬は、すべての円形脱毛症の方が対象になる薬ではありません。重症度・年齢・既往歴・検査結果などの条件を満たしたうえで、医師が適応を判断します。「新しい薬だからすぐに使う」のではなく、これまでの治療歴や状態を踏まえて慎重に選択する治療です。
副作用と継続中のモニタリング
JAK阻害薬は免疫の働きを抑える薬のため、次のような点に注意が必要です。
- 感染症のリスク(風邪・帯状疱疹など)
- 血液検査の数値の変化
- その他、添付文書に記載された副作用
治療中は定期的な血液検査・診察によるモニタリングが必要です。気になる症状があるときは、自己判断せず医師にご相談ください。
費用と保険適用
JAK阻害薬は保険適用ですが、薬剤費は高額です。高額療養費制度を利用することで月の自己負担額に上限が設けられます。事前に限度額適用認定証を取得しておくと、窓口の支払いを抑えられます。費用の詳しい見通しは診察時にご相談ください。
大学病院・基幹病院との連携
JAK阻害薬の導入や、特に重症のケースでは、大学病院・基幹病院との連携が必要な場合があります。当院では、状態に応じて適切な医療機関をご紹介する体制を整えています。「自分が対象になるかわからない」という方も、まずは皮膚科で相談してください。
FAQ(よくある質問)
Q. 新しい薬で必ず治りますか?
A. 効果には個人差があり、全員に著効するわけではありません。経過を医師が評価します。
Q. 子供にも使えますか?
A. 年齢条件があります。診察で確認します。
Q. 副作用が心配です。
A. 治療開始前にリスクと検査の必要性を医師がご説明します。
Q. 高額で続けられるか不安です。
A. 高額療養費制度の活用で負担は大きく軽減できる場合があります。
【皮膚科専門医による円形脱毛症の重症型・新薬まとめ】
重症の円形脱毛症に対して、近年は内服のJAK阻害薬(オルミエント・リットフーロ)という新しい治療の選択肢が登場しています。すべての方が対象になるわけではなく、重症度・年齢・検査などの条件を踏まえて医師が判断します。気になる方は、まず皮膚科で診察を受けましょう。みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科では、必要に応じて基幹病院との連携も含めてご相談を承ります。大阪・箕面・茨木・池田エリアでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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