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監修者 理事長:花房崇明 (はなふさ たかあき) [ 資 格 ] ・医学博士(大阪大学大学院) ・日本皮膚科学会皮膚科専門医 ・日本アレルギー学会アレルギー専門医 ・日本抗加齢医学会専門医 ・難病指定医 |
[ 所属学会 ] ・日本皮膚科学会 ・日本アレルギー学会 ・日本小児皮膚科学会 ・日本抗加齢医学会 ・日本美容皮膚科学会 |
アトピー性皮膚炎の原因とは?
アトピー性皮膚炎は、一般に乳幼児・小児期に発症する、よく遭遇する皮膚の病気です。 頻度は低いですが、思春期/成人になってから発症することもあります。 今回はアトピー性皮膚炎の原因について解説していきます。1 アトピー性皮膚炎の原因はひとつではない

2-1 アトピー素因とは
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎のようなアレルギーに関連した病気を自身や、家族が持っていることを指します。2-2 皮膚のバリア機能の異常
皮膚は外側から角層、表皮、真皮、皮下組織から構成されます。 アトピー性皮膚炎では、 角層、表皮といった外側(皮膚の一番表面)に異常を来たしているといわれています。①角層の異常
角層は皮膚の最も外側に存在する暑さ10~20μmの薄い膜ですが、 セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸といった物質を含み、皮膚の水分を保持したり、蒸発を防ぐ役割を担っています。 アトピー性皮膚炎では、このセラミドの含有率が低下していると言われ、水分を保持する能力が損なわれています。1) また、角層の細胞は、フィラグリンという皮膚バリアを構成する重要なタンパク質を持っています。 アトピー性皮膚炎では遺伝子変異により、フィラグリンの産生が不足する患者さんがいると言われています。2) その結果、皮膚が乾燥しやすくなり、外部からの刺激やアレルゲンの侵入が増加します。②表皮の異常
表皮には、外部の刺激から守るために、隙間ができないように細胞同士が接着する構造があります。 アトピー性皮膚炎では、その接着構造を作るのに重要な役割をもつタンパク質が低下していると言われています。 3) そのため、外部からの刺激やアレルゲンの侵入が増加します。3 免疫系の異常
アトピー性皮膚炎の患者さんでは、免疫系が過剰に反応し、炎症を引き起こします。 特に、体がアレルゲン(例: 花粉、ダニ、食物など)を認識したときに産生される IgE抗体というものが増加しやすく、そのため、アトピー性皮膚炎の患者さんでは 花粉やダニといったアレルゲンに対するアレルギーを持つ患者さんが多くなります。 そして、IgE抗体が体内で反応し、ヒスタミンなどが産生されると皮膚の痒みを引き起こします。 また、皮膚に常在する細菌(特に黄色ブドウ球菌)が異常増殖しやすくなり、 これがさらに皮膚の炎症反応を悪化させることがあります。4)4 遺伝によるもの
アトピー性皮膚炎に関連した遺伝子変異は多数報告されていますが、 その中でも先ほど挙げたフィラグリンの遺伝子変異が有名です。 フィラグリンの遺伝子変異は、アトピー性皮膚炎の患者さんの 約20~50%に見られ、特に重症例との関連が強いとされています。5)5 環境によるもの

当院のアトピー性皮膚炎の治療方法はこちらからご確認ください。 アトピー性皮膚炎の治療法についてyoutubeでも解説しています! こちらからご覧いただけます。 ⇩

