マンジャロ注射・リベルサス内服

マンジャロ注射

ダイエットをするときに多くの方が直面するのがつらい食事制限や運動などではないでしょうか?特に、仕事や生活習慣が変えられない方にとって、これらが大きな壁となることが多いかもしれません。

そんな方におすすめなのがメディカルダイエットです。近年、メディカルダイエット薬にもさまざまな種類が発売されていますが、その中でも特に強力な体重減少効果が期待できるのがマンジャロ注射です。

今回は、マンジャロ注射の詳細やそのメカニズム、特徴などをご紹介していきます。

1)マンジャロ注射について

マンジャロ注射は、2022年9月に承認され、2023年4月に発売された2型糖尿病の治療薬です。有効成分としてチルゼパチドを含み、強力な体重減少効果も報告されていることから、メディカルダイエット薬としても利用されています。

他のメディカルダイエット薬と大きく異なる点は、マンジャロ注射は、「GLP-1」と「GIP」という2つの異なるホルモン受容体を活性化する作用があることです。リベルサスやビクトーザ、オゼンピックなどのGLP-1作動薬はGLP-1のみに作用するのに対し、マンジャロは、GIPやグルカゴン受容体にまで作用するため、大きな体重減少効果が期待できるのです。臨床試験でも、マンジャロを使用した患者の体重が10~20%減少したと報告されています。

薬剤と針が一体化したペン型で使いやすく、週に1回、食事のタイミングなどに関係なく注射できるので、負担の少ない注射薬として注目されています。

2)マンジャロ注射のメカニズム

マンジャロ注射は、体内の血糖値を下げるインクレチンというホルモンの作用を模倣し、血糖値をコントロールして体重を減らします。主に、腸から分泌されるGLP-1とGIPという2つのインクレチンホルモンの作用を強化します。

  • ・GLP-1は、食事後に分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促し血糖値を下げます。また満腹感を引き起こし、食欲を抑える効果があります。
  • ・GIPは、インスリン分泌を促しながら、血糖値をあげるホルモンであるグルカゴンの分泌をも促し、血糖値を安定させます。また、脂肪の代謝を促進する効果があり、脂肪燃焼を高めます。

このように、マンジャロ注射は血糖値のコントロールだけでなく、食欲抑制や基礎代謝が上がるため、大きなダイエット効果が期待できるのです。

3)マンジャロ注射がおすすめな人

  • 従来のメディカルダイエットで効果を得られなかった方
  • 週に1回の少ない回数でメディカルダイエットをしたい方
  • 厳しい食事制限や過度な運動をしたくない方
  • 仕事の関係で会食が多い、運動する時間がない方
  • 自力でダイエットの継続が難しい方
  • 年齢とともに痩せにくくなっている方

4)マンジャロ注射の特徴

  1. 食欲が減るため、空腹感を我慢しなくていい
  2. 食べても太りにくくなる
  3. 脂肪燃焼を促進し、代謝が上がる
  4. 血糖値が安定するため、間食や甘いものの摂取が減る
  5. 無理なく、体重減少効果が期待できる

(1) 食欲が減るため、空腹感を我慢しなくていい

マンジャロ注射に含まれるチルゼパチドは、脳の食欲中枢に作用して満腹感を感じやすくします。これにより食べ過ぎを防ぎ、少量の食事でも満足することができるため、空腹感に悩まされたり、我慢することが少なくなります。

(2) 食べても太りにくくなる

マンジャロ注射は血糖値のコントロールを行い、急激な血糖値の上昇を抑えるため、身体がエネルギーを効率的に利用できるようになります。糖分が脂肪として蓄積されにくくなり、エネルギーとして消費されやすくなるため、体重も増えにくくなります。

(3) 脂肪燃焼を促進し、代謝が上がる

マンジャロ注射は、GLP-1とGIPの作用により代謝を高めます。これによって、体内にすでに蓄積されている脂肪もエネルギーとして使われやすくなります。代謝が上がることで、基礎代謝量も増え、普段の生活でもエネルギー消費が増えるため、自然と脂肪が燃焼されやすい身体となります。

(4)血糖値が安定するため、間食や甘いものの摂取が減る

マンジャロ注射は、血糖値を安定させる作用があります。通常、間食や甘いものの欲求は急激な血糖値の上下により、脳がエネルギー不足を感じることで生じることが多いですが、マンジャロ注射によって血糖値が安定するとそのような欲求が減ります。

(5) 無理なく、体重減少効果が期待できる

マンジャロ注射は、食欲抑制、脂肪燃焼促進、代謝アップなど複数のメカニズムにより、厳しい食事制限や過度な運動をしなくても、自然な体重減少が期待できます。継続的な治療で無理のないダイエットができるのが大きな特徴です。

5)マンジャロ注射の使い方

マンジャロ注射は、週に1回、皮下に注射します。
食事のタイミングや時間は関係ないため、朝昼晩いつでも使用できます。あらかじめ、決まった曜日と時間帯を決めておきましょう。カレンダーや手帳に書き込んだり、スマホのアラーム機能を活用すると打ち忘れを防ぐことができます。

「アテオス」という1回使い切りの注射器に薬剤が入っており、自分で量を調整したり、針をセットする必要がないため使用が比較的簡単です。また、1回で打ち切るため、空打ちの必要はありません。

注射部位は、上腕部、もしくはお腹および太ももとされています。自己注射をする場合は、お腹や太ももなどの自分で打ちやすく、脂肪の比較的多い場所に打つのが適しています。ただし毎回、同じ場所に注射をすると、打った部分の皮膚が硬くなってしまう可能性があります。注射をする部位は毎回少しずつずらして、変える必要があります。

マンジャロ注射の容量は、初め2.5mgから注射を開始します。4週間継続後に、1回量を5mgへ増量します。その後は、効果に応じて医師と相談し、容量を増やして調整します。1週間につき、最大15mgまで増量が可能です。

6)マンジャロ注射の注意事項

マンジャロ注射は、冷蔵庫で保存する必要があります。薬剤を安定した状態に保つため、光を避けて、2〜8度の範囲での保管が推奨されています。もし冷蔵庫が使えない場合、直射日光を避けて、30度以下の場所に保管し、3週間以内に使用するようにしてください。

もし、予定日に注射を忘れてしまったり、予定通り注射ができなかった場合は、気づいた時に次の注射の予定日まで3日(72時間)以上空いていれば、すぐに注射を行っても問題ありません。その後は、予定通り決められた曜日に注射を続けます。しかし、次の注射予定日まで3日(72時間)未満の場合は、その時は注射を行わず、次回の注射予定日を待ってから注射を行います。

7)マンジャロ注射の副作用

マンジャロ注射は、ダイエットに強力な効果が期待できる注射である一方、他のダイエット薬と同様に副作用があることも理解しておくことが大切です。従来の中枢神経系に作用するダイエット薬と比較して、薬剤への依存性や精神面への影響は少ないとされています。

(1)一般的な副作用

一般的に、注射を初めて使用する際や、投与量を増やした際に消化器系の副作用が多く報告されています。嘔気や嘔吐、悪心、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退などの症状が現れることがあります。多くの場合、治療開始後、2〜4週間程度で症状が強く現れ、その後軽減していきますが、体質や投与量によっても個人差があります。

これらの副作用をできるだけ防ぐためには、急激に投与量を増やさず、段階的に増量することが大切です。また、マンジャロ注射の使用中は、脂肪分が多すぎる食事を摂取すると消化器系に負担をかけ、副作用が出やすくなる可能性があります。胃腸の負担をなるべく避け、1回あたりの食事量を減らし、3食を4食などに細かく分けると副作用を抑えやすくなります。さらに、適度な運動をすることで代謝が上がりやすくなり、マンジャロ注射の効果をサポートしてくれます。十分な睡眠を取るなど、日常生活を正していくことも副作用をできる限り抑えるポイントになります。

(2)重大な副作用・リスク

また、生じるのは稀ですが重大な副作用として、低血糖症や急性膵炎、胆管炎、胆のう炎などを引き起こすリスクがあります。下記のような症状が現れた場合はすぐに医師に相談しましょう。

1.低血糖症
極度の空腹感、冷や汗、めまい、動悸、意識の低下などが現れた場合は注意が必要です。低血糖症状が出た場合、ブドウ糖など糖質を含む食品や飲料を摂取してください。
2.急性膵炎
急性膵炎では、腹部の激しい痛みや吐き気などが見られる場合があります。そのような症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診しましょう。
3.胆管炎、胆のう炎
胆管炎や胆のう炎では、発熱や激しい腹痛などが見られる場合があります。そのような症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診しましょう。

マンジャロ注射の使用中は、定期的に医師の診察を受け、何か異変を感じた場合はすぐに医師の指示に従うことが大切です。

8)まとめ

マンジャロ注射は、GLP-1だけでなく、GIPにも作用し、強力な体重減少効果が期待できる、ダイエットに適した薬剤です。一般の薬局などで購入することはできず、副作用などのリスクもあるため、必ず医師の診察、処方が必要な薬です。インターネットなどで海外からの個人輸入は安全性の保証がないため、注意が必要です。

定期的な診察と検査を行い、正しく使用すれば大きな副作用を避けて、安心して治療を続けることができるでしょう。

当院では、安全で安心なメディカルダイエットを提供しています。メディカルダイエットを受けてみたい方、ダイエットでお悩みの方は、当院までご相談ください。

リベルサス内服

「食事制限がつらくて、ダイエットが続かない」
「今まで色々なダイエット法を試してみたけどうまくいかない」
「空腹に耐えられず、つい間食をしてしまう」
そんなダイエットのお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

リベルサスは、一般的に「痩せるホルモン」と言われるGLP-1の経口薬です。
リベルサスを内服することで、食欲が抑えられるため、ダイエットの効果が期待できます。

今回は、リベルサスの特徴や痩せるメカニズム、効果的な服用方法や副作用について解説していきます。

1.リベルサスとは?

リベルサスは、GLP-1受容体作動薬という種類の薬の一つです。
減量に有効とされている「セマグルチド」という成分が含まれています。

GLP-1受容体作動薬とは、2型糖尿病に使われている薬で、その中でもリベルサスは唯一の飲み薬として発売されています。

GLP-1は、元々体内に存在し、血糖値が上昇した時のみ小腸から分泌されるホルモンです。小腸で分泌されたGLP-1は、膵臓へ運ばれインスリンの分泌を促進するように働きます。

そのため、GLP-1受容体作動薬であるリベルサスを服用すると、血糖値を下げるインスリンの分泌が促進される作用があります。その他に、胃腸の動きを調整し食欲を抑制する効果もあり、自然と食欲が抑えられることで、空腹感を感じにくくなり、食事量も減るためダイエット効果が期待できます。

リベルサスは、3mg・7mg・14mgと用量が分かれており、量が多くなるにつれて、ダイエット効果も高まると考えられています。

2.リベルサスの効果と特徴

リベルサスは1日1回の服用で体重を減少させることのできる内服薬です。 リベルサスの効果やメカニズム、特徴を5つご紹介します。

(1)自然に食欲が減る

GLP-1はインスリンの分泌を促進し、血糖値をコントロールします。また、リベルサスに含まれる「セマグルチド」という成分が胃腸のはたらきを調整します。そのため自然に食欲が抑えられます。満腹中枢に働きかける効果もあり、少量の食事でも満腹感を感じやすくなります。血糖値をコントロールすることで、食欲が抑えられるため、食事量を無理なく減らすことができます。リベルサスで食事制限がいらないと言われるのはこのためです。

(2)糖分の吸収が緩やかなため、空腹感を感じにくい

リベルサスの成分である「セマグルチド」は、胃腸の動きを緩やかにして、食べ物の消化速度を遅くします。そのため、糖分の吸収を緩やかにし、食後に血糖値が急激に上昇することを防ぐことで、空腹感を感じにくくなります。

(3)脂肪分解を促進する

リベルサスは褐色脂肪細胞に働きかけ、脂肪燃焼の働きを活発にさせる作用もあり、カロリーを燃焼しやすい体にする効果が期待できます。褐色脂肪細胞とは、首やわきの下などに存在する細胞で、脂肪を燃焼する作用があります。褐色脂肪細胞は、年齢によって数が低下し、また肥満によっても働きが低下していきます。年齢を重ねると、太りやすくなったり代謝が悪くなるのはこのためだと言われています。
リベルサスは、褐色脂肪細胞を活性化させ、脂肪燃焼の働きを活発にさせることで、カロリーを消費しやすい体へと導きます。

(4)注射が苦手な方でも継続しやすい

リベルサスは、GLP-1受容体作動薬の中で唯一の飲み薬です。
以前は、注射薬しか存在せず、注射をすることに抵抗があったり、痛みなどに不快感を感じている方も多くいらっしゃいました。2021年以降、飲み薬として販売されるようになり、注射が苦手な方でも1日1回の内服で可能になり、続けやすくなりました。

(5)2型糖尿病治療薬の承認を受けている

国内において、リベルサスは、2020年に「2型糖尿病治療薬」として製造販売の承認を受け、2021年2月から販売が開始されました。食事や運動療法で中々効果が出ない2型糖尿病患者は、血糖値のコントロール目的でリベルサスの内服をすることがあります。国内での販売が認められているため、有効性があり、服用リスクの少ない医薬品と言えるでしょう。

3.リベルサスの服用方法

リベルサスは、決まった服用方法があり、正しい飲み方でないと効果がしっかり発揮されない場合があります。以下に正しい服用方法を記載します。

(1)起床時など、空腹時に服用する

リベルサスは、飲み物の成分や胃に入っている食事などで吸収が悪くなります。必ず空腹の状態で飲みましょう。

(2)120mL程度のコップ半分の水で服用する

薬は服用直前に取り出し、錠剤を割ったりかみ砕いたりしないようにし、コップ半分(120mL以下)の水で服用します。お茶やコーヒー、服薬ゼリーなどは使用してはいけません。

(3)服用後少なくとも30分間は飲食、他の薬の服用をしない

服用後も、30分〜1時間程度は食事や水分の摂取を控える必要があります。どうしても水分を摂取したい場合でも、最小限に抑えましょう。薬を飲み忘れた場合でも、薬を増やさず、1日1錠を服用しましょう。

4.リベルサスの副作用

リベルサスは、ダイエットに非常に効果的な薬ですが、副作用もあります。
以下に、代表的な副作用を紹介します。

(1)胃腸障害(嘔吐、吐き気、下痢、胸やけ)

胃腸障害は、最も多い副作用の一つです。特に、内服し始めの頃に起こりやすいと言われています。内服を継続していくうちに、症状が軽くなり落ち着くことがほとんどです。そのため、一番用量の少ない3mgから内服をはじめ、7mg、14mgと徐々に投与量を増やしていくのが一般的です。

(2)低血糖症状(冷や汗、震え、倦怠感、動悸など)

リベルサスは、GLP-1受容体作動薬であり、血糖値が低い場合はインスリンを分泌させません。そのため、低血糖症状は起こりにくいとされています。しかし、稀に低血糖症状の報告があります。過度に食事制限をしながら、リベルサスを内服すると、血糖が低下して症状が出る傾向があります。冷や汗、震え、倦怠感、動悸などの症状が出た場合は、速やかにリベルサスを内服することをやめて、医師に報告してください。

(3)膵炎(嘔吐を伴う激しい腹痛、背部痛など)

膵炎の副作用が出現することは稀ですが、報告があります。
腹痛や背部痛が出現した場合、速やかにリベルサスを内服することをやめて、医師に報告してください。また、過去に膵炎にかかったことのある方はリベルサスの内服ができません。

5.リベルサスが内服できない方

リベルサスは、ダイエットに非常に効果的な薬ですが、副作用もあります。
以下の方は、リベルサスの内服ができませんので注意してください。

  • 妊娠中、授乳中、妊娠を希望している方
  • 過去に膵炎にかかったことのある方
  • 糖尿病で治療中の方
  • 重度の胃腸障害がある方
  • 自力でダイエットの継続が難しい方
  • 甲状腺疾患治療中の方 など

いかがでしたか?
リベルサスについて解説をしました。
リベルサスは、食事制限なしで体重減少効果のある魅力的な薬です。しかし、副作用やリスクもあるため、必ず医師の診察のもと、正しい方法で服用するようにしましょう。

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